湿疹 eczema

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今までの質問と答え
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皮膚科の患者さんの1/3以上を占める病名です。
ブツブツ・小さい水泡赤み・粉をふく、などが混ざって出来、通常はかゆみがあります。

Gottronらの分類

  1. 接触性皮膚炎
  2. 尋常性湿疹(通常は、皮膚科では、「湿疹」と呼びます。)
  3. 内因性湿疹(アトピー性皮膚炎は、ここに含まれます。)
  4. 脂漏性皮膚炎
  5. ビーダル苔癬(近年は、慢性湿疹に含まれることが多いです。)

1、3、4、5と後記します。その他、特異な臨床型の病名がつかないものは、「湿疹」と呼ばれています。
つまり、分類不能な湿疹の病名として使用されています。
以下は、尋常性湿疹つまりいわゆる湿疹について記載します。

分類不能な湿疹とは、原因が不明か、
適当な病名が当てはまらない疾患
もありますが、病状がはっきりするまでの
仮の病名などいろいろな場合が含まれた、
ゴミだめの様な病名かもしれません。
原因として考えられるものは
自己免疫食べ物アレルギー・ダニ・HD・薬疹ウィルス性発疹症などです。
感染症が基盤にあり、原因を継続して供給している場合も多く見られます。
例えば、
細菌(バイキン)いぼ水いぼ・真菌(水虫菌癜風菌)などです。

組織学的には、急性、亜急性、慢性と分かれますが、
臨床的には、通常は、急性湿疹、慢性湿疹に分類することが多いです。
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  • 急性湿疹 
    急性に発症したブツブツ、小さい水泡赤み、粉をふく、などが混ざって出来てかゆみを伴うものです。
    ただし、長期化しても浸潤性(硬くなること)のないものもあります。
    原因の分からない接触性皮膚炎・感染性皮膚炎(
    毛嚢炎など)・蕁麻疹の体質や
    イライラで皮膚を掻くことが原因なることもあります。
    ウイルス性発疹症や細菌感染の典型的でない皮疹も含まれている可能性があります。
    治療は、最も疑わしい原因に添って開始し、それに対する反応から原因が推定出来ることもあります。
    皮疹は、通常左右対称性ですが、基礎に
    毛嚢炎がある場合は、左右非対称性の場合もあります。
    幼児は、汗のたまりやすい、首のひだに多く見かけます。
    汗で悪化する人は、酸性の石けんを勧めています。
 

 

「あせも」から急性湿疹

「あせも」は、汗で悪化する急性湿疹の大変軽い状態ですから「あせも」が悪化すると簡単に急性湿疹になります。
拗らしたら迷わず専門家に相談するのが近道です。

  • 慢性湿疹 浸潤性(硬くなること)があり、角層も厚くなるので、胼胝性湿疹、苔癬化湿疹、疣状湿疹などと
    呼ばれることもあります。 
    治療は、重層法やテープのステロイドなどが必要になることがあります。
    ステロイドの漸減法(ぜんげんほう;最初思い切り強いものから徐々に弱くする方法)を行うと、
    効果があることがあります。

    SDD(h)

    湿疹によく似ていることがあります。例1 例2

     

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特異な臨床型の病名ある湿疹

  • 貨幣状湿疹 
    環状の湿疹、ブドウ球菌感染が関係していると言われています。
    関連のある疾患には、
    自家感作性皮膚炎膿痂疹性湿疹アトピー性皮膚炎などがあります。さらに
  • 小児乾燥性足底皮膚炎(ズックグツ皮膚炎) 
    アトピー性皮膚炎のある子供に多く、通気性の悪い靴をはくと
    足底の前方1/3と趾腹にかけて角化して割れ、痛みがでます。
    通気性のよいものをはくことをこころがける必要があります。
  • 手湿疹 病名をクリックしてください。
  • 汗疱状湿疹 病名をクリックしてください。
  • 主婦湿疹 病名をクリックしてください。
  • 自家感作性皮膚炎 病名をクリックしてください。
  • うっ滞性皮膚炎 
    静脈瘤のある下肢の1/3に出来ます。湿疹で、色素沈着や潰瘍を伴うことがあり、
    放置すると
    自家感作性皮膚炎を誘発します。
    治療として、血行改善をしないと根本的には良くならないので、静脈瘤の治療を行うべきです。
  • オムツ皮膚炎(diaper dermatitis) 
    オムツをしている乳児や幼児や老人に起こります。尿・便・オムツの刺激で起こると言われています。
    鑑別は、
    カンジダ症乳児寄生菌性紅斑)で、オムツ皮膚炎では、股関節部には、
    皮疹がなく周囲に小水泡と小膿疱を伴いません
    顕微鏡検査でカンジダは陰性です。
    接触性皮膚炎(オムツの素材やアンダーム軟膏など)があります。
    軽い場合は、非ステロイド剤(アンダーム軟膏など)でも軽快しますが、
    重症の場合は、ステロイドの使用が必要です。しかし
    カンジダ症乳児寄生菌性紅斑)が誘発される
    可能性があるので注意が必要です。
    病名を探せ!オムツかぶれ
  • 陰嚢湿疹
    注意が必要なのは、治療の効果が長期に見られない時です。
    乳房外パ−ジェット(悪性腫瘍;初期)の場合がありますので、
    医師に十分相談しましょう。
    股部白癬紅色陰癬陰嚢カンジダ症貨幣状皮膚炎SDD(h)の鑑別が必要です。
  • 膿痂疹性湿疹 
    かゆみ、膿疱、黄色のかさぶた、滲出性(液がでて、皮膚が壊れている)を伴います。
    感染を伴い周囲に拡大する傾向があります。とびひと湿疹の間の様な皮膚病です。
    放置すると
    自家感作性皮膚炎を誘発することがあります。
    ステロイド剤のみを使用すると
    感染化膿を助長し悪化することがあります。

    抗菌剤(グリメサゾン・フシジンレオ)とステロイド合剤が効果があります。

    治療で一度悪化することがありますが通常2〜3日で長くて1週間位です。
             
    Jarisch-Herxheimer反応

    SDD(h)

    を下地に出来ることもあります。合併例もあります。
    治療に苦慮します。

  • 皮脂欠乏性湿疹( 乾燥性湿疹 老人性下腿湿疹  皮脂減少性湿疹) 
    asteatotic dermatitis アトピー性皮膚炎の小児には、冬季に体や下肢に見られることがあります。
    鑑別疾患には、先天性と後天性の魚鱗癬があります。
    保湿剤やステロイド外用と抗ヒスタミンの内服が有効なことがあります。
    入浴の際は、摩擦を出来るだけ避けて下さい。 老人も特に冬に悪化します。
    中年以降、男性に好発します。女性の方もいらしゃいます。
    かゆみが強く、下肢に乾燥肌 xerosis があり、かきこわすと、亀裂と皮膚が粉をふいた様になります。
    他の皮膚病の
    膿痂疹性湿疹貨幣状湿疹 ・自家感作性皮膚炎 などを誘発することがあります。
    スキンケアへ 
    余り長引く場合は、
    SDD(h)としての治療をお勧めします。 乾燥肌
  • 紅皮症 
    病気が酷かったり、治療が上手くいかなかったりして全身に湿疹が広がって、
    全身が赤くなり、熱感を伴い、鱗屑が多数見られます。原因が湿疹以外のこともあるので注意が必要です。
    例えば、
    尋常性乾癬・セザリー病(リンパ性で悪性)などがあります。
  • 口角びらん症 
    口角に限局し赤くなり粉をふきます。
    悪化すると割れて痛みを伴ったり範囲が拡大して口囲皮膚炎に移行することがあります。 
    紛らわしい病気として
    鵞口瘡があります。
    余り長引く場合は、
    SDD(h)としての治療をお勧めします。
  • 口囲皮膚炎 
    上記の口角びらん症から移行したり、
    脂漏性皮膚炎の異所性・急性湿疹二次感染と思える
    状態の場合とステロイドの副作用として出来る場合があります。
    原因に
    癜風菌が関係ある場合があります。
    長引くときは顕微鏡検査が必要です。
    酒さ様皮膚炎」に近いものもあります。     難治の場合の推測 学会発表
     
関連疾患

 

SDD(h)

蕁麻疹  
治療は、免疫抑制剤(ステロイド・プロトピックなど)と
かゆみ止め(抗ヒスタミン)が中心です。

当クリニックは異なる治療も行っています。(免疫抑制しない治療)
液体窒素療法 非ステロイドの痒み止め 

 

スキンケア治療期間の目安皮膚の構造皮膚のターンオーバー皮膚の洗い方へ

 

ステロイド外用薬のランク(強さと種類)

ステロイドの塗り薬の上手な塗り方

日本で市販されている主な経口かゆみ止め(抗ヒスタミンとアレルギーの薬)

主なヒスタミン剤(抗アレルギー剤を含む)の薬理作用

妊娠と薬/FDA妊娠分類/妊娠の時期と薬剤の影響

日本で市販されている主なかゆみ止めとアレルギーの薬の妊婦へ投与基準

薬物相互作用の報告のない抗アレルギー薬*と抗ヒスタミン薬

漢方薬とは・主な漢方薬(生薬)の効果と副作用皮膚科で使用される主な漢方薬(エキス剤が中心)

 

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