乾燥肌(ドライスキン):子供の場合(私見を含む

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乾燥肌(ドライスキン)は、湿度の低下に依って皮膚の角層から水分が抜ける冬に目立ちます。
子供のドライスキンには、尋常性魚鱗癬など遺伝的要素の強い人と後天的要素の強い人がいます。
乾燥肌の人は日常のわずかな刺激にも敏感に反応します。
皮膚の
バリア機能が低下しているので、
外部刺激(ダニ、ハウスダスト、細菌・ウイルスなど)に依って皮膚炎を起こします。
小児期までに多く見られます。成人では僅かな人でしか観察されません。

子供の皮膚の特徴
1. 大人より薄い。
2. 皮脂の分泌が少ない。
3. 保湿成分(アミノ酸、セラミドなど)が少ない。セラミドは脂肪を変換して作りますが、この過程が上手くいかない人がいます。
4. 代謝がよいので汗をかきやすい。皮膚のpHが上昇しやすい。/汗腺の数は成人も子供も変わりませんが、子供は体表面積が少ないので汗腺の密度が高い。

 皮膚のバリアが壊れやすい傾向があります。

 

皮膚のバリアが壊れやすいので、過度の清潔習慣はかえって皮膚にダメージをあたえます。
ナイロンタオルで擦り過ぎて出来ると言われているので
ナイロンタオル皮膚炎と呼ばれる病気もあるくらいです。

保湿剤の必要な人は、入浴後や顔を洗った後に皮膚に水分が残っている間に塗るのが有効なので、
入浴後3分以内に塗って下さいと指導することもあります。
乾燥肌の人は通年こまめに塗る習慣をつけましよう。冬は特に必要です。
過度の清潔習慣はよくないという例としては、
日本のアトピー性皮膚炎の調査団の報告では、
「モンゴルの遊牧民の入浴習慣のないパオ(ゲル)生活する子供たちには、
アトピーの子供は見つかりませんでした。
同じ国でも首都のウランバートルでは生活スタイルが欧米に類似してきました。
すると、ウランバートルの子供たち中にはアトピー性皮膚炎が見つかるようになったそうです。」

 

一方、皮膚にダメージを与える可能性があるものに、合成界面活性剤、水道水の残留塩素
機械的刺激(ナイロンタオル・掻爬などの摩擦)などあります。

 

シャンプーやリンス、ボディソープなどは、
石油を精製する過程で得られる「ナフサ」を原料とする「合成界面活性剤」を洗浄成分としていますが、
この合成界面活性剤は脂質と結合する力が非常に強いため、油汚れを落とす力も強力なのです。
特に若年層の清潔志向により、ナイロンタオルなどによって必要以上に皮膚をこすることによっても、
皮膚のバリア機能が破壊されます。

 
子供のドライスキン(私見)

子供のドライスキンでは、鳥肌の様なぶつぶつが目立ちますが、
この無数のぶつぶつの大多数は、
小さいイボだと考えています。
これがあると皮膚表面の
角層の乱れ皮膚のバリア機能低下に関係していると考えています。
一方、子供の免疫は、思春期に向かって徐々に成人と同じレベルまで上昇します。
出発点、到達点、上昇のカーブには、個人差があり、いろいろな要因を受け、変化します。
子供のドライスキンの多くが思春期頃までになくなります。
これは、免疫力の上昇が関係している可能性があります。
免疫の上昇の到達点が低い人は
いろいろ環境因子(紫外線・風邪・食べ物アレルギー・花粉症・環境ホルモン)などの影響で残ることもあります。
経過中に排除反応で
伝染性軟属腫様尋常性疣贅(ドライスキンを伴い水いぼ様のいぼ:
かなりの頻度で痒みを伴うことがあります。
中には、痒みや赤みを伴い湿疹様になったりさらにはアトピー性皮膚炎に進行する人もいます。
上記の皮膚のバリア機能の破壊が影響して痒みが出て掻爬で誘発されることがあります。

  

 

免疫力の発達     イメージ図
思春期に向かって徐々に成人のレベルまで上昇しますが出発点も到達点も上昇カーブも、
人それぞれで
異っています。
 

 

乾燥肌と主な皮膚病の推移           イメージ図

湿疹やアトピー性皮膚炎の人は、乾燥肌を伴っている場合もしばしば見かけます。

 

 

 

 

治療としては、

上記の皮膚のバリア機能にダメージを与えるものを避けて、
痒みが無ければ保湿剤を上手に使い皮膚のバリア機能を補助して免疫が上昇するのを待つ方法もあります。
痒みが出たら
非ステロイのかゆみ止めや飲み薬のかゆみ止めを使用して
掻爬を止めないとさらに悪化する可能性があります。
酷い時は、短期間ステロイドを使用して掻爬や過剰反応を止めることが有効なこともあります。
当クリニックでは、
漢方液体窒素療法積極的に免疫を高める治療も行っています。

 

 

 

実際の乾燥肌は無数のブツブツが目立ちます。これは肉眼では確認できない
小さい「いぼ」であると考えています。
触るとザラザラした感触がある鳥肌の様
であるのは、このためだと考えています。
↓で示せいるくらい多数角化した
ブツブツ(角化性丘疹)が目立ちます。
この過角化も
SDD(h)が関与していると
思われます。
↓以外にも「いぼ」が怪しい場所は
多数あります。

 

同じ人の湿疹部位です。炎症の為か表円の赤みが目立ちます。角化性丘疹が集まった場所は、さらに炎症が強い所は赤みが強い部分も観察されます。この炎症こそSDD(h)だと思われます。


ここで観察できる(マイクロスコープで)出来るぶつぶつももし人間が地球くらい大きくても富士山くらいと推測されます。マイクロスコープで確認出来ない、小さいぶつぶつも存在する筈です。 大きさの比較の図

HP内の関連リンク

悪化因子 塩素除去  対策&方法

合併し易いもの 「水いぼ様」分布の「いぼ」の治療 実際YouTube

「液体窒素療法」とは 「皮膚の風邪」 「いぼ」について 防御能力に影響するの

 

 

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