- 青年性扁平疣贅は、顔に出来ることの多い小さい扁平ないぼですが、
稀に突然、紅斑(赤み)と掻痒(かゆみ)と多少の隆起(角化)を生じて急速に治癒する症例に出会うことがあります。
この自然治癒現象が肉眼では見えずマイクロスコープでさえ確認出来ような
小さないぼにおいても同様に起こっても不思議はないと推測されます。
- いわゆる尋常性疣贅(いぼ)も極稀に突然、紅斑(赤み)と掻痒(かゆみ)を生じた後に突然、
無くなる症例を経験します。
これは、炎症が強いと激しい症状が出ますが自然治癒反応が進むために起こると考えられます。
いわゆるいぼは、紅斑や掻痒を伴わないでも自然治癒することもありますが、
この場合は、治癒は非常にゆっくりです。
風邪の場合高熱が出ると直ぐに治るが、中途半端な発熱ではかえって長引くのと似ています。
- 扁平苔癬様角化症は、稀に経験する皮膚病です。
老人性疣贅などを基礎疾患として急速に角化・増殖し隆起しますが、
その後、多くの例で自然軽快します。
3つの要素で形成されています。それぞれの量や反応の仕方で大きさ・形状・症状が変わります。
これらの要素はいろいろなものに影響を受けます。例えば、年齢・性別・気候・食べ物やアレルギー・細菌感染の有無などがあります。
普通のいぼの大きさ
日常、目にしているいぼはイボウイルス(HPV)が直接見えている訳ではありません。
ウイルスが感染した皮膚の細胞を排除しようとして起こる反応か?
もしくは、単なる感染細胞増殖なのか?は分かりませんが・・結果的に皮膚の隆起が起った結果です。
この反応は、正常とは異なる角化の反応が起こり異常な角質が出来て上手く剥がれないので
硬い角層が厚く付着したいぼを形成します。
肉眼で見えるいぼは、1億個〜100万個位の細胞で構成されていると推測されます。
つまり、最小が1個の感染細胞で最大が1億個でその間で正規分布していると
仮定すると細胞数の中間は1万個前後なので最も多いいぼの大きさは、2.5mm前後だと推定出来ます。
肉眼で認識できるいぼは、かなり正規分布の右寄りの部分に位置している特別に大きいものだと言えます。
大きさからも同様に50μm〜50,000μm(5cm)の中間としても2.5mm(2,500μm)前後と推定出来ます。
当医院で経験した最大級の「いぼ」
イメージ図
右上が普段「いぼ」と認識されていますが、珍しい非常な大きさものです。
この大きさでも色・形や大きさは様々です。
マイクロスコープで確認して治療した。 小さいウイルス性疣贅 水いぼ様と乾燥肌 色素沈着 学会発表のページへ
これらの例が教えてくれた3つのこと
- 肉眼的で「いぼ」に見えないものがある。
- 「いぼ」には、大・形や症状に多彩性がある。
- 傷が原因で「いぼ」が誘発されることがある。
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傷から発症 「液体窒素療法」とは
たとえ話
いぼの大きさをイボウイルス=HPVの大きさと比較する、HPVの大きさを猫くらいある仮定とすると
1〜2ミリの青年性扁平疣贅でもエベレスト山かそれ以上の大きさの山に匹敵することになります。
日常経験するのいわゆるいぼは5ミリ〜20ミリくらいありますが、
こちらはエベレストの5〜10倍あることになります。
火星のオリンポス山(27000m)より遥かに高く超巨大ということになります。
そして、マイクロスコープでやっと確認出来るくらい小さいいぼでも
数百〜数千メートル級の山くらいに相当することになります。
これらのことから、マイクロスコープで確認出来ない小さいいぼが存することが容易に推測されます。
参考:皮膚病の主な病因生物の種類と大きさ比較
いぼの形態(shape)について
人間が地球くらいの大きさだとして大ざっぱに比較すると表皮(皮膚の外側の薄い層)の
厚さは地殻の厚さくらいあります。
地球の地殻は、変化に富んでいて山・山脈・丘・盆地・渓谷も峡谷もあります。
同様に、皮膚の表皮に出来るいぼの形にいろいろな形があっても不思議はありません。
地球の地表にはエベレスト山級の山は珍しく普段よく目にする山は、殆どがそれ以下の高さの山です。
普段いぼと言っているのは、富士山の様に珍しい形の超巨大なものであり、それを特別に尋常性疣贅(普通のいぼ)と
言っているのです。
また、皮膚表面には尋常性疣贅より遥かに小さいく、
種々の形をしたいぼが沢山存在する可能性があることが容易に想像できると思います。
左側にマイクロスコープでの像があります。右側の肉眼にで見える形とは異っています。
肉眼で見える範囲でも形には、バラエティがあります。
「いぼ」として治療して上手くいった例の画像です。
いぼの性質と注意点
皮膚が傷つけられるとHPVが増えている細胞の増殖力が活発になります。
皮膚が傷ついた場所からいぼは始まるとされています。例
その為いぼが気になっていじると急に大きくなったり数が増えたりすることがあります。
痒くて掻爬(掻くこと)することの他、摩擦・塩素・洗剤・紫外線・乾燥なども皮膚を傷つけ悪化因子になります。
難治の皮膚病を普段見ているいわゆるいぼと大きさ・形状・症状が
大きく異なるいぼの可能性を疑って治療すると上手くいくことがあります。
私の印象(私見)
いぼ(普通の大きさからマイクロスコープで確認出来ないくらい小さいものも含みます。)は、
小さいほうが自然治癒現象が起こりやすく
、自然治癒の過程で紅斑と掻痒を伴うことが多い傾向があると考えています。
イメージ図
全体のイメージ
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従来の病名との見え方の対比
イメージ図
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