色素沈着のメカニズムの推測
色素沈着は、表皮の中のメラノサイトが作るメラニンに依って起こります。
正常の皮膚ではメラニンを皮膚のターンオーバ-で毎日、皮膚から外側へ捨てていますが、
a
炎症で皮膚の基底膜が壊れるとメラニンが真皮側(内側)に落ちます。
メラニンが表皮の外側でなく内側に落ちることが色素沈着の原因です。
一時的な炎症の場合には、内側に落ちたメラニンもマクロファージがお掃除して徐々に無くなります。
b
弱くても炎症が継続するとメラニンが落ち続けます。
私の考えでは、原因の病変が無くならないかぎり炎症が継続してメラニンの落下が続き
マクロファージの処理速度を上回るので色素沈着が残ってしまうのではないかと考えています。
原因が無くなっていないとは、いぼの場合は表皮細胞に一定の数以上のウイルスが残っていることです。
病変部周囲の色素沈着や治療後の色素沈着の殆どはaが考えられます。
私の考え方では原因の「いぼ」が残っている場所のbが継続します。
aとbは同時に起こっているので区別は出来ません。
治療を継続すると色素沈着は徐々に消退すると考えています。
液体窒素療法や漢方などの内服の継続で色素沈着は無くなると考えています。
余り強力な治療はメラニンの刺青現象を起してしまうことを危惧しています。
ウイルスのターゲットが毛・汗腺などの皮膚付属器の場合に治療が長引くと考えています。
老人の所謂、「しみ」もbの反応が余りにもゆっくり起こっているのではないかと疑っています。
この「原因」として最も疑っているのはHPV感染です。
色素沈着の治療例 3例(YouTube)下記の例を含みます。