「液体窒素療法」とはの補足

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液体窒素療法の効果、その他の説との関係:

液体窒素凍結療法には、理的作用相・血管作用相・免疫作用相の3つ作用相があります。

液体窒素の効果は、「いぼ」のある皮膚にダメージを与えて効果が出ているという説と
免疫が賦活されて効果を発揮しているという説があります。
後者は皮膚の免疫(皮膚の抵抗力)が活性化されることが治療に役立っていて、
前者の場合も超低温で炎症が免疫活性化された結果としてダメージが起こっている可能性があります。
実は、
両者とも同じことを言っているのかも知れません。

この免疫系の反応は、獲得免疫と自然免疫の両方が関係していると考えられます。

 

 

 

水疱形成に影響するもの

内側から影響するもの:個人の免疫力に影響を与えるもの

本来持っている個人の免疫力の強さ
風邪・予防接種などでウイルスを追い出すスイッチが入る場合
漢方薬・免疫を活性化する食べ物:ニンニク・カレー・キムチなど
温熱刺激での免疫が活性化される場合:温泉・岩盤浴・長風呂など
治療の継続での免疫系の活性化
生活習慣の改善:十分な睡眠・禁煙・ダイエットなど
女性の場合:生理・妊娠の影響。
上記の種々の影響を受けて免疫力は、日々変化しています。

外側から影響するもの:治療の強弱の差に影響するもの
治療の時間・治療間隔・
治療部位・回数・スプレー式の場合、病変部位との距離 
早く治そうとする医師の意識など

工夫

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色素沈着のメカニズムの推測

色素沈着は、表皮の中のメラノサイトが作るメラニンに依って起こります。
正常の皮膚ではメラニンを
皮膚のターンオーバ-で毎日、皮膚から外側へ捨てていますが、

a

炎症で皮膚の基底膜が壊れるとメラニンが真皮側(内側)に落ちます。
メラニンが表皮の外側でなく内側に落ちることが色素沈着の原因です。
一時的な炎症の場合には、内側に落ちたメラニンもマクロファージがお掃除して徐々に無くなります。

b

弱くても炎症が継続するとメラニンが落ち続けます。
私の考えでは、原因の病変が無くならないかぎり
炎症が継続してメラニンの落下が続き
マクロファージの処理速度を上回るので色素沈着が残ってしまうのではないかと考えています。
原因が無くなっていないとは、いぼの場合は表皮細胞に一定の数以上のウイルスが残っていることです。

病変部周囲の色素沈着治療後の色素沈着の殆どはaが考えられます。
私の考え方では原因の「いぼ」が残っている場所の
bが継続します。
aは同時に起こっているので区別は出来ません。
治療を継続すると色素沈着は徐々に消退すると考えています。
液体窒素療法や漢方などの内服の継続で色素沈着は無くなると考えています。
余り強力な治療はメラニンの刺青現象を起してしまうことを危惧しています。
ウイルスのターゲットが毛・汗腺などの皮膚付属器の場合に治療が長引くと考えています。


老人の所謂、「しみ」も
の反応が余りにもゆっくり起こっているのではないかと疑っています。
この「原因」として最も疑っているのは
HPV感染です。

 

色素沈着の治療例 3例(YouTube)下記の例を含みます。

 

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 「液体窒素療法」の継続で色素沈着が消退した例

 
マイクロスコープ像
集まった疣様の隆起が多数観測出来ました。
来院12回目
来院19回目
来院22回目
スプレー法液体窒素療法+レモンマートル外用 半年後

 

16才 男性 柔道部  幼児期からアトピー性皮膚炎があり 現在も残っています。
ステロイドと保湿剤による一般的な治療が断続的に行われていました。

H22.2.10に初診

長年の一般的ステロイド治療が奏功していないのでウイルス性疣贅の関連を疑い
液体窒素療法を行っています。
顔を含む上半身の症状が酷く、
色素沈着と紅斑と痒みがあります。
胸は、他院で癜風の診断で抗真菌剤使用したことがあります。
当クリニックの検査では、真菌検査は陰性でしたが、
癜風後の色素沈着と診断しました。マイクロスコープでは、
いぼ状の隆起が観測されたので他の部位を含めて
スプレー式液体窒素治療器(クライオプロ)で治療を継続しました。
通院間隔は、1〜3週間に1度程度で余り定期的ではありませんでした。
開始後、12回目ではあまり変化ありませんでしたが、
19回目くらいから色素沈着が薄くなり始めて、
22回目で、明らかに改善しました。
現在も治療は継続中です。

処方:アトピー性皮膚炎の痒み対策の為に内服はクラリチン・黄蓮解毒湯・温清飲
外用は身体と四肢に
L-メントール・レスタミン コーワ クリーム・アンダーム軟膏 mix 顔には レスタミン コーワ クリーム・アンダーム軟膏 mix  
保湿の為に ヒルドイドソフトを使用しています。

 

私の深読み

 

癜風で特殊な色素沈着が残るのは癜風菌から活性物質が出て、この形に皮膚で増えているHPVの排除反応が起こり、さらにその反応が継続している
ためではないかと考えています。
液体窒素で局所の免疫を高めることに依ってウイルスの排除反応が終ったところは、
真皮へのメラニンの脱落が起こらなくなるので
徐々に色素沈着が取れてきているのではないかと考えています。

 

 

治癒過程(皮膚の)とは、炎症が起こり赤みやブツブツ(酷いと水を持ったブツブツ)
炎症が継続すると血管が集まることも有ります。
→炎症が治まると炎症の間に起こった色素沈着の赤みが取れて黒く見えてきます。
→炎症で起こった不完全な角化で皮膚が固くなり、この増えた角層が取れて皮が剥けてきます。
不完全な角化は、上手く取れず角層が厚くなりますがこの現象は皮膚の場所に大きく左右されます。
手掌や足底は元々、角層が厚いので非常に厚くなり
亀裂が出来て痛いこともあります。

 

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