PUVA(紫外線照射とソラーレン(光に感受性を高める薬)の内服や塗り薬の併用を行なうことが有ります)が、
注意しないと白斑の周囲が色素沈着してかえって目立ってしまうことがあります。
このため、当院では行っていません。
外用は、ステロイド(皮膚の厚さで強さを選んで使用しますので、
副作用は余り心配しないで付けてもらえます)塗り薬を早期に使用すると効果があります。
内服は、当科の治療の中心薬は1%セファランチン末(タマサキツヅラフジより抽出されたビスコクラウリン型アルカロイドで、漢方薬ではありませんが同様のものと考えていいと思います。)の粉薬です。
重症で急速に進行するときはステロイド内服が必要なことがあります。
最近、話題の薬としては、ビタミンD3製剤:ドボネックス軟膏、オキサロール、ハイ・ボーンアルファ(尋常性乾癬などの治療薬)の塗り薬があります。
IPD(アトピー性皮膚炎の内服薬)については、多少の使用経験がありますがやや有効な程度と考えます。
アトピー性皮膚炎の外用薬であるプロトピック軟膏(タウロリムス)が
顔面の白斑に効果があったという報告があります。
治療経験での早期の例では反応はありますが、長期放置の例では治療に抵抗する傾向が強い印象があります。
日焼け止めの使用はジレンマです。つまり、白斑の部分はメラニンが少ないので日焼けしやすく、
普通の肌より日焼け止めの使用が必要ですが、紫外線は白斑の治癒に働くので、難しい問題です。分節型には、吸引水泡での表皮の移植が必要なことがあります。
その際は、2Weeks位の入院をして行ないます。当科では、行っていません。
国内では、NB-UVBやエキシマも試みられています。
海外では、UVA-1や以下のものも試みられています。
He-Neレザー(波長632.8nmの一般的でないレザー治療)が有効で周囲の皮膚に色素沈着を起こさず効果があるったとの台湾の大学から報告(数十〜百回以上で効果の出る例が多くあります。)があります。
アメリカやスイスなどでも行われています。日本での現状、詳細は不明ですが、
五十肩などの痛み止めとしてのみ使用されていて、日本では白斑には保険適応もなく殆ど行われていません。
治療効果の出方
効果があると白斑の中に点状の色素斑が出来てそれが徐々に拡大して島状の色素斑になります。
さらに白斑の周囲、辺縁にも色素が増強し始め徐々に周囲の肌色に馴染んできます。
これに至る期間は人にも依りますが2ヶ月〜数年かかります。
気長に治療して下さい。残念ながらほとんど効果がでない方も存在します。