白斑 (白なまず)尋常性白斑、・分節型白斑

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全身どこでもところかまわずに突然に色素が抜ける白くなる病気です。
大きく分けると2種類あります。
大半を占めるのは尋常性白斑と呼ばれるものです。
割合は
約10分1と少ないのですが神経の走行に一致して出来る分節型があります。
後からあげた
分節型神経の分布に沿って出来て内服や外用の効果が少なく表皮の移植手術が有効です。
「吸引水泡法の分層植皮」によって皮膚を取った所も殆どきれいになります。
行なっている医療機関が少ないので電話などで確かめて受診して下さい。
術後、1週間程度の固定が必要です。
分節型の原因はよく分かっていませんが、
自己免疫には関係してないと言われています。


尋常白斑も重症になると爪が変形してしまう人がいます。重症例では、治療にも抵抗性を示します。
病因としては、
自己免疫疾患つまり自分の色素細胞を攻撃してしまう為にメラニンを作れない部分ができ、
その部分の皮膚に色素脱失してしまうという学説が優勢です。
しかしながら現在、私は以下が原因でないかと強く疑っています。

SDD(h)


普通は、自覚症状がありませんが・・炎症性辺縁隆起型白斑の場合は、
周囲に赤みのあるブツブツを伴い痒みが生じることが有ります。
上記として治療中に白斑部位に赤みのあるブツブツを伴い痒みを生じた例の経験があります。

 

 

 治療法
PUVA外線照射とソラーレン(光に感受性を高める薬)の内服や塗り薬の併用を行なうことが有ります)が、
注意しないと白斑の周囲が色素沈着してかえって目立ってしまうことがあります。
このため、当院では行っていません。
外用は、
ステロイド(皮膚の厚さで強さを選んで使用しますので、
副作用は余り心配しないで付けてもらえます)塗り薬を早期に使用すると効果があります。
内服は、当科の治療の中心薬は1%セファランチン末(タマサキツヅラフジより抽出されたビスコクラウリン型アルカロイドで、漢方薬ではありませんが同様のものと考えていいと思います。)の粉薬です。
重症で急速に進行するときはステロイド内服が必要なことがあります。
最近、話題の薬としては、ビタミンD3製剤:ドボネックス軟膏、オキサロール、ハイ・ボーンアルファ(
尋常性乾癬などの治療薬)の塗り薬があります。
IPD(
アトピー性皮膚炎の内服薬)については、多少の使用経験がありますがやや有効な程度と考えます。
アトピー性皮膚炎の外用薬であるプロトピック軟膏(タウロリムス)が
顔面の白斑に効果があったという報告があります。

治療経験での早期の例では反応はありますが、長期放置の例では治療に抵抗する傾向が強い印象があります。
日焼け止めの使用はジレンマです。つまり、白斑の部分はメラニンが少ないので日焼けしやすく、
普通の肌より日焼け止めの使用が必要ですが、紫外線は白斑の治癒に働くので、難しい問題です。分節型には、吸引水泡での表皮の移植が必要なことがあります。
その際は、2Weeks位の入院をして行ないます。当科では、行っていません。

国内では、NB-UVBやエキシマも試みられています。
海外では、UVA-1や以下のものも試みられています。
He-Neレザー(波長632.8nmの一般的でない
レザー治療)が有効で周囲の皮膚に色素沈着を起こさず効果があるったとの台湾の大学から報告(数十〜百回以上で効果の出る例が多くあります。)があります。
アメリカやスイスなどでも行われています。日本での現状、詳細は不明ですが、
五十肩などの痛み止めとしてのみ使用されていて、日本では白斑には保険適応もなく殆ど行われていません。

治療効果の出方

効果があると白斑の中に点状の色素斑が出来てそれが徐々に拡大して島状の色素斑になります。
さらに白斑の周囲、辺縁にも色素が増強し始め徐々に周囲の肌色に馴染んできます。
これに至る期間は人にも依りますが2ヶ月〜数年かかります。
気長に治療して下さい。残念ながらほとんど効果がでない方も存在します。

 

合併症
重症で、治療に抵抗する人は自己免疫疾患を伴っていることがあります。
例えば、甲状腺疾患や膠原病を伴っていることがあるので、スクリーニングとして血液検査をします。

 

 治療経過
治療の初期は、白斑の中に島状に色素斑できたり、辺縁に色素が濃くなってきますが、
治療効果がでている証拠ですので、心配しないで治療を続けてください。
その他皮膚が白くなる病気
  • 貧血母斑
  • 脱色素性母斑
  • 単純性粃糠疹(はたけ)
  • 癜風(でんぷう)
  • 白黒黒皮病:サイアザイド剤などの利尿剤で起こり高齢者の頭皮に白斑と色素斑が点状に混在した皮疹、殆ど見かけなくなっりましたが、別の薬で稀に見られることがあります。
    近年は、サイアザイド剤の使用が減っていますが、合剤と降圧剤として復活しているので注意が必要です。

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