Q&A

発表内容 

第75回日本皮膚科学会東京支部学術大会(2012/2/19-東京)

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先頭の数字か質問をクリックすると回答に移動します。  



Q1, 薬剤の移行性について

Q2, 陰性率が高すぎませんか?

Q3, ルリコン以外の抗真菌剤は如何ですか?

Q4, 抗真菌剤の有効率はどの位ですか?

Q5, B又はCの領域の治療としては

Q6, 検鏡陰性の領域(B又はC)を疑っている皮膚病は、ありますか?

Q7, 検鏡陽性KOH(+)と陰性KOH(-)の 臨床症状の違いはありますか?

Q8, 年間推移の対象者を教えて下さい。


 

  

Q1,薬剤の移行性について

 

A,足白癬で角層のバリアが破綻すると蜂窩織炎が合併することもあるので、

感染部位では分子量300〜500(表1の最下段参照)の抗真菌剤は十分な量が通過すると考えています。

追加)

1)白癬菌の耐性株の報告は殆どありません。

自然界に耐性株が多数存在するなら、

治癒しない人の多くに耐性株が見つかる筈です。

 

2)再感染の可能性も考慮しなければいけませんが、

外用中は考え難く、外用中止後に同じ人が繰り返す確率は、少ないと考えられます。

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Q2、陰性率が高すぎませんか?

 

A2,患者さんが水虫を心配して来院された場合、足白癬の疑いが少なくても鱗屑を伴っている
全例を確認する為に検鏡していので陰性率が高く出ていると思っています。
新しい水虫の薬が市販させてからますます陰性率が高くなっています。
水虫菌が陰性の患者さんに対するがますます医師に求められてる時代になっています。

足白癬を疑っても検鏡で陰性の方がいるいます。逆に足白癬の可能性が少ないと思って検鏡しても
陽性のこともあります。

図1

当クリニックでは、看護師とのダブルで行っています。

顕微鏡にセットされた状態から再確認なので、

検鏡がスムーズです。

検鏡の待ち時間を利用して、説明の

ムービーをノートパソコンで見て貰っています。

「水虫の薬の効かない水虫」YouTubeへ ページのtopへ  戻る

Q3、ルリコン以外の抗真菌剤は如何ですか?

 

有名な抗真菌剤の比較の表です。

表1

A,有名な5剤のMIC(薬剤が菌に効果が出る最低の濃度:株によって異なるので幅があります。)を比較して見ました。
最も量が必要なニゾラールでも、角砂糖に例えると東京タワーの大展望台の高さに
相当する量の有効成分が入っていることになります。
臨床効果の判定基準がメーカーに依ってことなるの対照者(患者)も判定者(治験医)が異っているので
一概にはいえませんが・・MICと臨床効果は比例していません。
水虫が陽性で治験対象になった群も100%と白癬菌(水虫菌)が関係していないことは、明らかです。

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Q4,抗真菌剤の有効率はどの位ですか?

 

A,製薬会社によって判断基準が違うので比較は難しいのですが、(表1の下段参照)

MIC(薬剤が菌に効果が出る最低の濃度)とは、有効率が一致していません。

 

当クリニックの2011年のデーターでは、

抗真菌剤を処方した検鏡陽性者の

再診者の有効率は67%で、未受診者は89%でした。


著効1〜2週間以内に治癒した例です。

有効は2週間では治癒していませんが、

軽快傾向のある例です。

有効率は(著効+有効)/来医院or回答人数

 

再診者と未再診者の治療経過の差


再診あり  
有効率=(著効+有効)/来医院人数

図2

                 n=52

 


再診なし

未受診 有効率=(著効+有効)/回答人数

図3

                  n=23

 

 

再診していない人の

ハガキとTELでのアンケート結果です。



 

未受診は短期間で治癒している著効が多く、再診した方の5倍位でした。逆に無効は極僅かでした。

両者の合計の有効率は75%でした。

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図4

著効と有効の治癒時間の差はBの領域が広く、この領域の自然治癒に必要な期間の影響と考えています。

追記)皮膚の変化は白癬菌を排除する為に起こった炎症によるもので、菌が死滅しても炎症は残るので、

痒みは急に治まらずある程度のタイムラグがあります。見た目が元の皮膚に修復されるにはターンオーバ-の期間(2〜4週)が必要です。

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Q5,B又はCの領域の治療としては、

 

水虫様皮疹に対する治療の試みは、以下を行っています。

外用;非ステロイドの痒み止め・サルチル酸サンワセリン・

オキサーロル・亜鉛化軟膏・スプレー式液体窒素・アロマなどを組み合わせて行っています。

治療の試みはデータを集積中です。

内服;抗ヒスタミン剤・漢方など

その他:スプレー式液体窒素

原因は現在のところ不明ですが、

足白癬は、白癬菌に対する排除反応で起こっている皮膚の変化と考えられます。

同様に排除反応の可能性があるので、免疫力を下げない治療を行っています。

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Q6,検鏡陰性の領域(B又はC)を疑っている皮膚病は、ありますか?

 

A, 汗疱・異汗性湿疹・湿疹・接触性皮膚炎・ pitted keratolysis・軽症の掌蹠角化症・軽症の掌蹠膿疱症

その他、疥癬・紅色陰癬があり、 

検鏡陽性の場合は、皮膚カンジダ症などの可能性があると考えられます。

図5

図の青い矢印の接触性皮膚炎以外は、共通する原因を疑っています。

抗真菌剤が効かないことから、カビ(真菌)は否定的で、

抗真菌剤がグラム陽性の細菌(ばい菌)に効果があることと経過から、細菌も否定的と考えています。

光学顕微鏡では見えない大きさなのでウイルスを疑っています。 SDD(h)へ(関連を疑っているもの)

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Q7,検鏡陽性KOH(+)と陰性KOH(-)の臨床症状の違いはありますか?

 

A,KOH(+)は、痒みを伴うことが多く、

KOH(-)は、角化傾向がありますが、

例外は、どちらにもありました。

図6

n=185

図7

n=185

 

以下の図は図6と図7を合成したイメージ図です。

 

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Q8,  年間推移の対象者を教えて下さい。

 

A,以下に表を示します。

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