麻疹(はしか)measles

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麻疹ウイルス(measles virus)の感染によっておこる感染症です。

皮膚病の主な病因生物の種類と大きさ比較

ウィルス性発疹症

感染力がとても強く
空港のロビーですれ違っただけでうつった例もあります。
10%位しか不顕性感染(感染しても症状に出ないこと)がなく
殆ど症状が出ます。

殆どの場合、終生免疫は出来ますが、稀に再感染もあります。

 麻疹ウイルスは、ヒトの免疫を司るT細胞をターゲットに感染するため、
免疫能が低下して他の
合併症を伴い易いのも特徴の一つです。

 アレルギ−と免疫

 

ヒト以外には伝染しないウイルスなので、
ポリオの次は麻疹が根絶計画の目標になるでしょう。 
事実、米国では土着の麻疹はほとんどいなくなり、
アジア人などの外国人からの感染が問題になっています。


麻疹(はしか)の抗体は胎盤を通過するので・・
母が「はしか」の抗体を十分持っている場合には、
生後3カ月までは抗体が麻疹予防に役立ちます。
生後4〜6カ月の間は稀にかかることもあるますが、
かかっても軽いか不顕性感染になることも多いです。
生後8カ月以降かかることが多くなります。
年長者ほど重症です。成人してなると本当に重症になります。
症状

 潜伏期は約10から12日です。 

 初期は、発熱、咳、鼻水、結膜炎が出始めます。特に咳が強く出ます。

2〜4日目頃に一度熱が下がります。
口の中(ほっぺたの裏側)に
コプリック斑と呼ばれる白い斑点が出ます。
(いちばん他人にうつしやすい時期です。)

半日経つと再び高熱が出て、今度は発疹が出始め、
発熱、咳、鼻水、結膜炎などの症状はさらにひどくなります。
合併症を起こさなければ、2度目の熱は4〜5日ほどで下がり、

発疹の色も褪めて汚い色になったり、皮剥けしてきます。
軽度色素沈着を残します。


主な合併症 麻疹患者あたり

下痢 5〜8/100
中耳炎 7〜10/100
肺炎 4〜7/100
けいれん 0.5〜1/100
麻疹脳炎 1/1000〜2000
亜急性硬化性全脳炎 1/10万

死亡 1/1万(合併症がないとき)〜1/100(合併症による死亡)


重症化しやすいので、ワクチンによる予防が必要です。 
予防接種の現状
1966年から任意で1978年から公費で行われています。
          2003年時点で
39歳以上の方は、予防をうけてないない可能性が高く、
25歳以上で39歳以下の人は受けてない可能性があります。
25歳以下の人はまず予防接種しているはずです。
しかし、最近の接種率は、75%位に低下していると言われています。
最近は、
MMR(はしか・ムンプス・風疹)として行われています。
MMRは、中止され平成5年から単独接種になりました。
二度目の接種は、自費ですが予防効果は上昇します。

 診断
症状からたいてい診断できます。
 血中の麻疹ウイルスの抗体価を測定する必要がある場合があります。

診察前のお願い 

小さいお子さんの場合、たいへん機嫌が悪くなるので
診察室では激しく暴れて十分な診察ができないことがあります。
重症の結膜炎、口内炎を見逃すおそれもあるので、自宅でも目や口の中を気をつけてみてください。
 病院で出来ること
麻疹ウイルスに直接効く薬はありません。
解熱剤、咳止めなどの対症療法
二次感染予防のため抗生剤の併用します。

年長者には、かなりきつい病気なので、入院が必要になることも多いです。

類似の病気と鑑別


家庭で出来ること

「はしかは暖めろ」は迷信です!
 熱が続くときにはクーリングしてあげましょう。
部屋は20℃くらいに、時々換気をしてください。
咳が激しいときは加湿しましょう。
熱が長く続いて脱水症を起こしやすいので、
飲み物は十分にあげてください。
ジュースでもお茶でも、本人が飲みたいものならなんでも結構です。

 食事は、食欲もなく、のども痛いので、
お粥やプリン、アイスクリームなど柔らかめの消化のよいもの

熱が下がれば、入浴してもかまいません。

  肺炎や脳炎などいろいろな合併症を起こしやすい病気です。
きちんと治るまで十分い気を付けて下さい。


 保育園・幼稚園・学校の通学通園について

 学校伝染病で第2種
(学校で流行を広める可能性が高い伝染病)

熱が下がってもてもかなり消耗しているので、
さらに数日程度はお休みが必要でしょう。

 

 

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