特発性とは、原因不明の時に使う接頭語です。
色素とは、この場合メラニンだけでなく主にヘモジデリンです。
紫斑とは、血液(主に赤血球)が血管から漏れた状態です。
ただし、この場合は、皮膚の表面近くの微小血管からの漏れで、内臓疾患は通常伴いません。
シャンバーク病 Schamberg's
disease
比較的中年以降の男性の足(特に下肢)に出来やすい赤トウガラシ色の点状の紫斑で
時にかゆみがあることはありますが、通常かゆみを伴いません。
独特の赤茶褐色の色素沈着があり、経過は長期に及びます。
マヨッキー血管拡張性環状紫斑 purpura
annularis teleaangiectodes Majocchi
比較的中年以降の女性に多く出来ますが、男性の患者さんもいます。環状の紫斑が主体です。
通常、自覚症状はありません。
Gougererot-Blum病(紫斑性色素性苔癬様皮膚炎)
中年以降の成人に多く下肢にできます。経過は長く褐色の色素沈着がある病気で、
病巣の血管が比較的深く炎症も強く、かゆみを伴います。
iting purpura
腕、足、臀部、腹部に「激しいかゆみ」を伴う点状色素沈着が急速に拡大します。
自然経過で6週間位で治癒すると言われていますが、「激しいかゆみ」には、
抗ヒスタミン・アレルギー内服とステロイドの外用もあまり効果なく、セファラアンチンの大量内服が有効です。
Lichen aureus
下肢などに黄色みがかった赤茶褐色の色素沈着があります。通常、自覚症状はありません。
慢性(特発性)色素性紫斑病は、全て比較的まれな病気です。他の病気と区別の難しいものもあり、診断がつかない為に治療期間が長引くことがあります。