第24回日本臨床皮膚科医会総会-2008/5/24-東京 

Q&A 

発表内容 

032512 111813

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先頭の数字か質問をクリックすると回答に移動します。 

 

Q1.使用目的について

Q2.軟膏の使い分けについて

Q3.副作用について

Q4.作用機序について

Q5.作り方について

Q6.その他のお勧めの軟膏はありますか?



A1使用目的について

 

●長期に免疫抑制的治療(ステロイド・プロトピック)を行っているが、

改善しないので、免疫賦活的治療(液体窒素療法漢方などに変更した症例の有用 

例1例2

●幼児や成人の軽症例で、自然治癒が期待出来る症例の痒み止め
●ステロイド恐怖症でステロイドを受け付けない患者の痒み止め

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A2. 軟膏の使い分けについて
 

それぞれの有利な点を上げてみます。

●l-メントールは速攻性と効果が期待出来ます。

●乳酸Na12%は痒みを止める時間が長い点

●レスタミン・スタデルム(アンダーム)mixは刺激が少ない点です。

お互いに効果が無い場合に変更することによって有効なことがあります。

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A3. 副作用について
 

● l-メントールの刺激感は、幼児には不向きです。

成人にも過敏な人もいます。l-メントールの減量で対応出来ることもあります。
逆に増量を希望する方もいます。

●乳酸Na12%は濃度が濃いので、ビラン局面では刺激が強く不向きです。

● レスタミン・スタデルム(アンダーム)mix アンダーム軟膏の過敏は、

有名ですが、統計中(n=125)には経験しませんでした。
国別アトピー性皮膚炎発症率とアンダーム軟膏の販売状況へ

過敏疑いの例に自己パッチテスを行いますが、その後も陽性者は極僅かでした。
初期の病勢の悪化をステロイド程抑制出来ないので、症状がでている状態と
勘違いしている例がほとんどでした。

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A4. 作用機序について
詳細は、不明ですが、

●l-メントールは、冷感刺激の受容体と同じTRP-M8を介して作用しているとされています。

●乳酸Na12%は、痒みを伝えるC繊維のCaチャンネルをブロックしている可能性を疑っています。

● レスタミン・スタデルム(アンダーム)mixの作用機序は全く不明ですが、
アラキドン酸カスケードの関与を疑っています。


A5.  作り方について

作り方と処方の仕方のページへ


A6. その他のお勧めの軟膏はありますか?
 

●デルマクリンA軟膏1%には、グリチルレチン酸には弱い免疫賦活作用があると考えて使っています。
抗炎症作用(痒み止め)の効果は余りなく、逆に痒みが増強される場合もあるので注意が必要です。
余り痒みのない幼児の乾燥肌などに適していると考えています。

●サリチル酸サンワセリンには、5%と10%製剤があります。
5%は、手掌・足底以外の部位の角化傾向ある皮疹に有効です。
アラキドン酸カスケードに関連の為か、稀に紅斑や痒みがでることがありますが、
保湿剤として薬価も安いので重宝しています。皮疹の改善にも有効です。

● グリメサゾン軟膏は、あまり知られていませんが、ステロイドは弱く、
グリテール(大豆由来)が入っていて抗菌作用が期待が出来るので

湿潤局面に有効です。稀に臭いの気になる人がいます。

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