多くは、candida albicans
(イースト菌の仲間)によって皮膚や粘膜の感染で起こる皮膚病です。
candida
albicansは非病原性菌として皮膚、粘膜、腸管内に存在しますが、
以下の条件の時に病原性を示すことがあります。
カンジダ菌の発育は、水虫の原因の白癬菌に比較して発育が早く急激に悪化しますが、
薬の反応もよく急激によくなります。
皮膚病の主な病因生物の種類と大きさ比較
・抗真菌剤(水虫・カンジダ・癜風菌などの薬)
|
|
実際の顕微鏡写真です。
|
左の写真の輪郭トレースです。
|
顕微鏡で直接見るともう少しはっきり見えます。
- 年令;新生児、幼児、高齢、妊娠
- 局所の要因;高温、多湿、皮膚病変(癌など)、皮膚科pHの上昇
- 薬;ステロイド内服、外用、抗生物質の内服、免疫抑制剤など
- その他;肥満、多汗、糖尿病、免疫不全など
- カンジダ性間擦疹
陰股部、脇の下、乳房下などの擦れる場所に出来る赤くかゆみの強い皮膚炎です。
オムツをしている老人、太っている人、糖尿病の人に出来やすいです。
- カンジダ性指間糜爛症(分芽菌性指間糜爛症(びらん))
水仕事が多い職業に従事している人の 足や手の指間に出来やすく
皮がむけて、赤くなりかゆみがあります。特に手の第3指間は、好発部位です。
- 乳児寄生菌性紅斑(erythema
blastmycceticum infantie)
オムツ皮膚炎の鑑別が必要です。オムツをしている幼児に、下痢の後(腸管内のcandida=イスト菌の1種が出てくる)や
オムツ皮膚炎の為にステロイドを外用しているとなりやすい傾向があります。
顕微鏡検査で、カンジダ菌が陽性で判断できます。
見た目では、辺縁や離れた場所で皮がむけたり膿を持つ場合があります。
検査
顕微鏡検査で、菌糸やイーストが見つかります。
治療
抗真菌外用で比較的早期(2〜3日)に良くなります。
ビラン部が、多いので「しみない」外用を選ぶ必要があります。
抗真菌剤(水虫・カンジダ・癜風菌などの薬)
UP
その他特異な臨床型の病名あるカンジダ症
- 黒毛舌
舌に黒色の舌苔が付きますが、自覚症状はありません。
抗生物質の内服で起こることがあります。
黒色は、寄生する別の細菌の色素に因るものとされています。
- 口腔内カンジダ症(鵞口瘡;がっこうそう)
口角部にビランや口腔・舌に白い苔様のものが付着します。
新生児と成人の悪性腫瘍・ステロイドや抗生物質の長期内服で出来ることがあります。
鑑別として口角びらん症があります。
- 爪カンジダ症
爪白癬とは異なり爪の基部が紅くなったり腫れたりして、皮がむけ爪の基の方から白くなります。
- カンジダ性爪囲爪郭炎
爪の周囲が少し赤くなり腫れや分泌物が出たり、爪甲に凹凸ができます。
水仕事の多い女性に多く、爪カンジダ症を伴いやすい。
- 陰嚢カンジダ症
陰嚢湿疹の鑑別と考慮が必要です。粉をふき赤くなります。夏に悪化する傾向があります。
青年、入院患者、動労者などに好発し、糖尿病があるとさらに出来やすくなります。
入浴時に石鹸でよく洗う必要があります。
- 外陰部膣皮カンジダ症 外陰が、赤くなりかゆくなります。表面には白い苔様のものがつきます。
徐々に肥厚し割れます。膣部にも白い苔様のものが付着します。
陰部のかゆみの1/3を占めます。
|