母斑(ほくろ)と血管腫

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ほくろ=色素性母斑(naevus pigmentosus) /
母斑細胞性母斑(naevus cell naevus,neavus nevocellularis)

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今までの質問と答え
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黒子(Lentigo)と呼ばれる小さいものから小豆大のやや大きいものまでありますが、
通常ほくろと呼ばれているものは、比較的小さいものです。
殆どが生まれのきのもので耳や鼻の形の様に決まっているのですが、
紫外線・外傷などが原因で出きるものもあります。
年令と共に数が増え、大きさも形も変化することもあります。

頭に出来るものは、色素がなく肌色のものが多い傾向があります。(実際の写真
身体や顔にも肌色のホクロができることがあります。
毛が生えているのもホクロの特徴です。
悪性化することは殆どありませんが、いじると細胞に変化が起こり、
悪性腫瘍を誘発することがあるのでいじらないようにしましょう。
また、母斑症と呼ばれる病的なものもありますが、
ほくろの数は個人差があるのであまり気にしないでいいと思います。
気になるようでしたら専門医に相談して下さい。

日本人は足の裏のほくろが悪性化すると言われるのは
欧米人は顔など他の場所にも出来やすいので
相対的に頻度が多いだけです。
白人は、光にあたる場所に多く悪性腫瘍が出来るので足底の悪性腫瘍の頻度が少ないのです。

注意が必要なホクロ

35才を過ぎて新しく出来たもの、7mm以上
(5mm以上の怪しいものは切除し検査が必要と言う
意見もあります。)のもの、
急速に大きくなるもの、周囲ににじみが、形が左右非対称性のもの、色のムラ痒み出血あるもの、
いじって変形したもの、以上は原則として、例外もあります。
心配でしたら専門家に相談して下さい。

良性のホクロも自然に身体が排除しようとしてなくなることがありますが、
一方で消失してから急速に拡大する
メラノーマもあるそうです。

心配でしたら精神安定の為か保険に入るつもりで「疑わしきは切除する。と言う意見もあります。

実際の現状

専門の医師がホクロの状態を視診(見ること)することによって
悪性の可能性の高低を判断する能力は、
大きい病院、小さい病院でなく担当の先生個人の経験・能力に依存しますが・・
見るだけでは、「ある程度までの判断でしかないので」
決定は切除後の病理の結果(検査の結果)です。
当院の場合、明らかに悪性の場合や判断の難しい場合は、大学病院等に紹介します。
十中八九良性だと思うものだけ念の為に当院で切除します。
不思議なことに病理の結果の報告は、特別な場合を除いて大学時の検査室の報告より
外注の検査会社の方が早く来ています。
切除の際は、万が一悪性の場合を考えて大丈夫な範囲で離して切除しています。
慌てないで下さい。悪性の確率は余り高くありません。
最近は、マイクロスコープなどで拡大して見るのが一般化し始めています。

 

レーザー治療お勧めしない理由

「ホクロ」は、いじると悪性化すると言われています。
何十年もしてからです。
レーザー治療は始まってからあまり歴史がなく
「ホクロ」にレーザーを照てて安全なのか危険なのかどちらも
データが出ていません。
現段階では、「ホクロ」にレーザーはお薦めしません。

一般的に切除の場合「ホクロ」自体にメスは入れません。
周囲の皮膚も含めて取るので問題ないと思います。
切除の場合、切除したものを
病理検査し悪性や取り残しがある場合広範囲に再切除します。

 

名前のあるホクロ

 

扁平母斑 ;扁平である程度広範囲に色素班あり、有毛性の事があります。形・場所はいろいろですが、良性です。
ベッカー母斑 ;思春期頃から出来る扁平母斑様のホクロで、徐々に色素が濃くなりますが止まります。良性です。
獣皮母斑; 頭皮以外に硬毛が生え色素が強い色素班です。
広汎に出来る場合も一部に悪性腫瘍が出来ることがあります。
青色母斑 ;メラノサイトが深部に留まりメラニンを持ったもので色が濃く悪性にみえますが、良性です。
列状性母斑; 線状に並ぶホクロです。
軟骨母斑; 耳の近くに出来ていわゆる副耳として見られます。
面皰様母斑 ;毛嚢炎に出来て面皰様になるホクロです。

 

 以下に特殊なホクロを記載します。

蒙古斑: 生後間もなくか1週〜1ケ月位で、青色斑が仙骨部・尾骨部(おしり)に出来るもので
通常、小学生位までに自然消退します。境界は不鮮明で、周囲に副斑を伴うことが多く見られます。
黄色人種・黒人種も、ほぼ100%見られますが、白人では、稀です。
日本人は、黄色人の例に漏れず多くの人に見られますが、現れない人もいます。
異所性蒙古斑:手足や顔・身体など臀部以外に出来るものは、消退する傾向が少ないので残る場合があります。

 


皮膚が白くなる病気

貧血母斑  nevus anemicus

今までの質問と答え

たいへん稀な病気です。足の片側だけにできることが多く、
毛細血管の拡張異常で境界不鮮明な、不完全脱色素斑です。
幼児期に気づくことが多く思春期になるとはっきりします。入浴時に目立ちます。

治 療

適切な治療はありません。

脱色素性母斑 nevus depigmentosus

今までの質問と答え

たいへん稀な病気です。手、足、身体、顔に出来る
片側性の地図状の不完全脱色素斑で、
生下時か生後間もなくから明かになります。
メラノソーム(メラニンを作るところ)の成熟障害です。
自然治癒することがあります。

治 療

一般的に通常は治療を行わないで経過観察します。紫外線・日光照射?


小児の脱毛
 

脂腺母斑 nevus sebaceus

今までの質問と答え

生下時には頭部に多く脱毛斑として気づかれ表面は、皮膚色から褐色調です。
成長とともに表面がブツブツして隆起してきます。自然治癒しません。
成人してから種々の腫瘍を伴うことがあると言われています。
米国の統計では、30%位に腫瘍が出来ると言われています。
日本人は欧米人に比較して頻度は少ないのですが、同様に腫瘍が出来る場合があります。

 治 療

切除可能なものは、小学校高学年以降、成人までに手術することが多いのですが、
最近の研究ではあせって切除する必要がないという意見もあります。
手術の方法は局所麻酔で病変部を除去して縫い合わせます。
脱毛部の皮膚を除去するので脱毛は目立たなくなります。

 

顔面の色素沈着
 

大田母斑 nevus of Ota

今までの質問と答え

生後間もなくから青年期の間ににできます。顔面の眼周囲にできることの多い褐青色斑で
普通は片側だけですが10%位で両側性にできます。肩にできる伊藤母斑と呼ばれるものもあります。
遅発性大田母斑様色素斑は、中年以降の女性に左右対称性にできます。
色素が、皮膚の比較的深い真皮にあり青く見えます。

 治 療 レーザー治療、ドライアイスなどで効果あります。

小児期に発症した場合、レーザー治療は、かなりの痛みを伴いますが回数が少なくて済みます。
春思期以降には大田母斑はかなり回数が必要です。
レーザーにも種類があるのでQスイッチレーザーがある病院を確認して受診なさって下さい。

 


幼児に見つかる母斑症と血管腫(赤あざ)

今までの質問と答え

苺状血管腫  stawberry mark

生後数日頃から発症して毛細血管拡張、表面は多少凹凸のある弾性軟の腫瘤、
偏平ないし半球に隆起した暗赤色の腫瘤、暗赤色の腫瘤、
通常、5〜6年で消退することが多いですが、
あまり大きいものは早期の処置をしたほうがきれいになります。
また、大きさや場所により早期の治療が必要なこともありますが、
早期に処置を行なうどうかは、賛否両論があります。
セカンドオピニオンを求めるのも1つの手です。 圧迫・ステロイドの局所注射・内服などがあります。
激しい痛みをともないますが、
レーザー治療も試みられています。
β遮断薬のプロプラノロールの有効性が注目されています。

単純性血管腫 (ポートワイン・ステイン portwine mark)

境界明瞭な、隆起しない赤い斑が生後まもなく生じ、消えなません。
成人になって血管拡張性肉芽腫が出来ると治療が困難ことが多く、
幼児の早期のレーザー照射などが必要です。
早期に医師に相談して下さい。
レーザー治療

正中部母斑 (サーモンパッチ salmon patch) 
上眼瞼内側もしくは額の中央に淡紅色の斑(血管拡張) 生後6か月位で消えることが多く、
少なくとも生後2年以内に大部分は消えることが多いです。

ウンナ母斑  Unna's nevus  
項部に淡紅色の斑(血管拡張が出来)、成人になっても残ることが多いのですが
後頭部の髪の毛で隠れる場所なので問題ありません。

 

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