脂漏性角化腫 seborrheic
keratosis (老人性角化腫 keratoma
senile;老人性角化症 senile keratosis
;日光性角化症solar/actinic keratosis)
表皮内で悪性度も低いものですが、放置すると有棘細胞癌などに移行すると言われています。
所謂、皮膚の前癌状態です。顔面や手背に多く光が発生に関与しているとされています。
型は大きく分けて4型ありますが、皮膚科医でも見るだけでは区別の難しい場合もあります。肌と紫外線へ
治 療
手術(切除)、電気凝固、液体窒素などがありますが、切除して病理組織像の結果を見るのが無難です。
ボーエン病 morbus Bowen
上記の老人性角化腫と近縁ですが、出来方と病理像が異なります。同様に所謂、皮膚の前癌状態です。
ただし、上記の老人性角化腫とも湿疹などとも区別が難しく放置するとボーエン癌になり転移したり、
有棘細胞癌や基底細胞上皮腫に移行することがあります。
出来方は、薄い褐色の斑として出来、かなり拡大することがあります。 肌と紫外線へ
治 療 手術(切除)して病理組織像の結果を見るのが必要があります。
基底細胞癌/基底細胞上皮腫
Basaliom/basal cell epithelioma;BCE/BCC
中年以上の顔面に多く、特に鼻、眼周囲に比較的多いです。
通常黒色ですが、まれに皮膚色のものもあります。
転移の報告は大変少ないですが、
放置すると深部に進行し最悪の場合、眼球摘出など悲惨なことになることがありますので、
早期に発見し、小さいうちに取り切ることが重要です。
紫外線により誘発される為か、白人に多いことが知られています。
オゾン層の破壊のためか南半球で近年増加傾向があるとされています。 肌と紫外線へ
有棘細胞癌 squamous cell
carcinoma;SCC
熱傷・外傷の瘢痕や老人性角化腫・ボーエン病などの前癌状態から発生することもあります。
発生部位は、頭部・顔面・四肢に多く、潰瘍を作ったり、ビラン(皮膚がなく肉が見えること)・
壊死(組織が死んで汚く見えること)になったり、隆起した肉芽腫様になったり見た目は、
種々なのでおかしいと思ったら皮膚科医に相談しましょう。
治 療 病期によって異なりますが、早期ならば切除で終わります。
進行するとリンパ節を取ったり、化学療法(ペプレオマイシン・シスプラチンなどが必要になります。
もちろん、入院が必要です。
乳房外ページェット病 extramammary
Paget's disease
多くは陰部や股にでき、かゆみとすこし赤い皮疹を伴なます。
骨髄などに転移して致命的になることがあります。
陰嚢湿疹や陰嚢カンジダ症との区別が重要です。
長引く時には、皮膚の一部を取り病理組織検査が必要です。
治 療 入院して手術が必要です。病期によって異なりますが、
早期ならば切除で終わります。進行すると転移の検索や
広範囲な切除と化学療法が必要で入院です。
悪性黒色腫 (メラノーマ)malignant
melanoma/melanoma malignum;MM
メラノサイトから発生する皮膚の腫瘍の中で、悪性で進行が早く致命的になることが多い腫瘍です。
「ほくろ」をいじったり、紫外線など外的刺激で発生が促進されると言われていますが・・
発生率は、かなり低く5万人に1人位と言われています。
日本人は、足底からの発生が多いとされています。足の裏に出来るとことの多いのは、
黄色人種なので白人に比較して露出部(顔など)に余り出来ないので相対的に
足底に出来る頻度が頻度が増えるので
本邦では「足の裏のホクロは怖い」が定着しています。
黒色の腫瘍と思われがちですが色素を持たない白色のものもありますし、
黒色に白色が混じっていることもあります。
潰瘍・出血を伴うこともあります。心配な人は専門家に相談しましょう。
足底の黒色のもので心配無いもの代表ーブラックヒール 肌と紫外線へ 爪の悪性黒色腫へ
疑わしきは切除する。ここをクリックしてください。
治 療
進行度1期から5期まであり、1期で切除したらまず問題ありません。
早期でしたら外来で可能ですが、期が進むと入院して手術が必要です。病期によって異なりますが、
早期ならば切除で終わりますが、進行すると転移の検索や広範囲な切除、
検査と化学療法・免疫療法などの為に入院が必要です。
初期の対応が重要です。
悪性血管内被皮細胞腫 malignant
hemangioendthelioma
皮膚の腫瘍の中で最悪で進行が最も早く致命的になることが多い腫瘍です。
老人の頭部に出来ます。まれに、顔面もあります。
出血性の血管性の悪性腫瘍ですが、頻度は大変低いです。
悪性黒色腫に比較しても進行が早いので早期の対処が重要です。
治 療 入院して手術が必要です。病期によって異なるが、
広範囲切除と化学療法、免疫療法(IL2 など)による
延命は可能だが、いまだに決定的な治療法は、確立されていません。