自然治癒には大きく分けて2つあります。
再生機能(傷を負って壊れても、再生して個体を維持すること)と
防御機能(外・内の敵と戦って個体を守ろうすること)の2つに大きく別れます。
簡単な生物から複雑な生物に進化する過程で、前者の機能は低下傾向にあり、
後者の機構が複雑に種々の系統が発達し、その複雑さによって多重になっています。
両者はお互いに協力して個体を維持しています。
複雑で多重になるということは、いろんな防御経路が発達してお互いに協力して排除します。
この経路のコントロールが複雑になりいろんなことに影響され易くなってること意味します。
つまり防御には、最初の進入経路防御と進入してからの防御もあります。
関係しているものには皮膚・血液(白血球・抗体・リンパ球・血小板・赤血球)・神経・ホルモンなどがあります。
さらに戦う敵・進入経路によって戦術も異なります。
系統ごとに得意分野も異ります。特に内なる敵と戦う場合は敵と味方の区別が重要になります。
人間の場合、年齢でいうと発育途中の幼児は再生機能が高く防御機能が未完成です。
成人すると再生機能が低下しますが、皮膚の防御機能(能力の差はありますが)は完成します。
さらに、年齢を重ねると両方の能力は個人差はありますが低下します。
一般に子供は感染症(風邪・みずイボ・トビヒなど)に弱いのですが、傷はきれいに治ります。
成人は感染症(水いぼ・とびに)には殆どなりませんが、傷は治りにくくなります。
老人になると感染症や内なる敵の癌にもなり易くなり、傷も治りにくくなります。
病気は自然治癒が上手くいかない時、もしくは、自然治癒の過程(途中)の場合もあります。
病気の症状は自然治癒の過程?
外・内の敵と戦おうとすると種々の不都合が生じます。
例えば、風邪では発熱・頭痛・鼻水・筋肉痛などですが、
皮膚科で見るのは、丘疹(ブツブツ)・痒み・紅斑・鱗屑・角化・紫斑などとして現われたものです。
過剰な反応としての蕁麻疹などがあります。
医学や薬は人類が獲得した新しい治癒力?
医学や薬は人類が獲得した病気に対する自然治癒力を補う為の手段かもしれません。
医学や薬の発達していない昔でしたら、到底生存出来ない個体も現在は生存できます。