1) アナフィラトイド紫斑 anaphylatoid
purpur(Schonlein-Henoch シェンラヒ ヘノホ)
小児に出来やすく、下肢を中心に出来ます。
真皮上層のえ死性血管炎(血管の障害)で血液が血管からもれて紫斑になります。
血管壁に免疫複合体の沈着があります。
アナフィラトイド紫斑の関連が疑われているもの-いろいろな原因で起こる症状名だと考えられます。
感染症としてA群β溶連菌(溶連菌感染症)・MRSA(耐性ブドウ球菌)・サイトメガロウィルス・肺結核・EBウィルス・パルボウイルス19(伝染性紅斑/りんご病)、エルシニア、レジオネラ、ピロリ菌、マイコプラズマ、林病、HBウイルスなど
薬(アンピシリン、エリスロシン、クロルプロマジン)、
悪性腫瘍(リンパ腫、白血病、固形癌)
異種蛋白(異種血清)、自己蛋白、薬剤、環境化学物質、などがあると言われています。
最近の話題は、パルボウイルスB19(りんご病を起こすウィルス)の関連の報告です。
免疫へ
臨床症状としては、腹部症状:腹痛、下痢、下血、嘔吐 関節症状:関節痛、腫脹 腎症:蛋白尿、血尿
治 療
軽症ですと、安静にして塗り薬と飲み薬で様子を見ることもあります。
重症の場合は、ステロイド内服の必要なことが多く、検査と治療を兼ねて入院です。
2) 皮膚アレルギー性血管炎Vasculitis
allergica cutis(Ruiter)
真皮上層〜中層(まれに皮下組織)の小血管の壊死性血管炎で成人に多く、
両下肢に発症し潰瘍と紫斑を伴います。
合併症を伴うことは少ないが、まれに腎障害を伴うことがあります。
治 療
安静。飲み薬で様子を見ます。
注意点
両疾患とも、合併症があることは少ないのですが、
まれに腎症状、消化管症状を伴うことがあるので、
尿、便、血液検査などが必要な場合があります。
もっと重症系の結節性多発動脈炎(polyartitis
nodosa)の場合もあるので、鑑別が重要です。