髪の毛が円形に突然、抜ける病気で一時的なものです。
10円玉位のものが2〜3個までの軽症なものは、多くの例で2〜3ヶ月程度で治癒しますので心配しないでください。
稀に円形でなく全体的に抜けることがありますが、
悪性円形脱毛症の初期かSLE・アトピー性皮膚炎・下垂体機能低下などの病気に伴う
脱毛症可能性がありますので早期に専門家に相談しましょう。
重症(悪性円形脱毛症:例2・例3)の人は、
髪の毛だけでなく眉毛、体毛まで抜けてしまうことがあります。
さらに、爪が変形してしまう人もいます。治療にも抵抗性のことが多いようです。
最近の説では、病因としては、ストレスよりも自己免疫疾患、
つまり自分の毛乳頭にある毛母細胞を自分のリンパ球が、
攻撃してしまう為に脱毛するとされています。
攻撃の引き金の一つにストレスが、関係している可能性はあります。
なりやすい体質は遺伝しますが・・円形脱毛症自体は、遺伝性の病気ではありません。
治療法
外用(塗る薬)は、液体のステロイド(頭皮は皮膚が厚いので副作用は余り心配しないでください)と
フロジン(血行を良くする外用薬で反応性がある人は発汗することがありますが、心配有りません)
を同じ部位に使用するので、最初から混ぜた上で外用すると簡単です。
内服薬では、当科の治療の中心薬はセファランチン(タマサキツヅラフジより抽出されたビスコクラウリン型アルカロイドの一種、漢方薬ではありませんが同様のものと考えて下さい。)
で、その粉薬を常用量の10倍位内服してもらいます。
その他、PUVA 液体N2 ステロイド局注なども行います。
治療の効果が出ない場合は以下の場合もあります。
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SDD(h)
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円形脱毛症によく似た炎症ことがあります。例1・例2・例3
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治療経過
最初は少し、まばらに発毛したり白毛が生えたりしますが、どちらも治療の効果がでていることを示しています。
髪の毛が伸びりるには時間がかかりますので、心配しないで治療を続けてください。
治療に抵抗性を示す場合は、セファランチンの増量やケナコルトAの局注を重症や急速に進行するときは、
ステロイドを短期間内服してもらうことがあります。
合併症
重症のヒトもしくは、治療に抵抗するヒトは自己免疫疾患を伴っていることがあります。
例えば、甲状腺疾患や膠原病を伴っていることがありますのでスクリーニングとして血液検査をします。
液体のステロイド外用で毛嚢炎(毛庖炎)が出来た場合は、中止するか外用薬を変更します。
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