- フロジン液(医科用)
皮膚科の外来で一般に処方する外用薬で薬の作用としては、血管拡張作用があり発汗の増加も認められます。
育毛促進はあるかも知れませんが、発毛の例は経験ありません。
- ペンタデカン(ライオン、毛髪力)増毛をうたっています。
薬の作用としては、血管促進の作用があり育毛促進はあるかも知れませんが、発毛の例の経験はありません。
- ミノキシジル2%、5% 12.5%
元々は、高血圧の薬として開発されたものです。
ミノキシジル2%外用薬は、アメリカの試験成績では、発毛にかなり良い結果をだし認可されましたが、
日本では未だ認可されていませんので正式に手に入れるために認可されている国の医師の診断と処方箋が必要です。
使用経験はありません。ミノキシジル5%外用薬は、使用経験があり明らかに効果があると思われる例がありました。
本国でも発売開始されました。
本人の責任の基にインターネットなどで手に入ります。あやしい、輸入代行業者も存在します。
1999年6月から、ミノキシジル1%外用薬は、大正製薬から一般薬として販売になります。
効果は4か月頃から現れます。60%位の人に効果があるといわれています。
長期間使用(2年9か月 41例)において、発毛は1年がピ−クでその後は、しだいに毛が薄くなります。
しかし、治療前よりは、脱毛を抑制します。外用中止では、10〜12週で毛の太さも元に戻ります。
使用は1日に少なくても1mgを2回使用する必要があります。
- Finasteride (Propecia
Merck社:プロペシア メルク社など) 1mg/T
男性ホルモンであるテストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)に5αレダクターゼ酵素で転換されます。Finasterideは元々前立腺肥大症の薬として開発されたもので
5αレダクターゼに対する抑制効果が有ることが知られています。
このDHTが男性型脱毛症の主な原因と分かってきました。Finasteride
のアメリカの試験成績では、
発毛にかなり良い結果をだし認可されました。
米国、オランダなどから60%以上の効果があるとの報告が出てきています。
発毛の効果は、6か月目に現れ内服中止すると12か月で元に戻ます。
つまり内服の継続が必要です。理論的にはテストステロンをDHTに転換するのを
抑制するのでテストステロンは増加するハズですが、
2〜3%に精力減退の報告が在ります。
副作用としては、2%で勃起障害が現れたが偽薬との差はありませんでした。
副作用は、可逆性で内服を中止するとなくなります。内服を継続も2/3でこの副作用は解消します。
理論的には、DHTの産生抑制に作用しますので前段階のテストステロンは増加します。
日本では2005/12に認可され、処方箋の必要な薬ですが、保険は適応されず自費扱いです。
ネットで自己責任で個人輸入は現在でも可能です。
DHTは、胎児・子供では性器形成に関係してしています。
Finasteride
を妊娠女性が内服すると男児の性器形成を障害します。
女性は、ミノキシジルやアンドロゲン拮抗薬などを使用すべきで、Finasterideは内服禁止です。
ミノキシジルとFinasteride
の併用は、サルの実験では効果ありとの報告があります。
内服をやめると1年位で徐々に元に戻ります。維持するためには飲み続ける必要があります。
Finasterideの5年間内服の2重盲験の結果。
終了時の満足度Finasteride63%、プラセボ(偽薬)20%、
脱毛の縮小;自己判定(61%対20%)医師の判定(71%対15%)
1年以内に効果のないものは、継続しても効果はありません。
現在、53カ国で承認されています。女性や小児に対する適応はありません。
壊れた錠剤にふれることも危険と言われています。
性的な副作用がほとんど消退する5年後の副作用の発現率は、
それぞれ0.3%以下。2001年5/10のMedical
Tribuneより抜粋
日本でのデータでは、脱毛の進行を止める割合は98%・
発毛率は1年・2年・3年でそれぞれ60%・70%・80%位とされています。
- 脱毛メカニズム全ては明らかになっていないので、まだ完全に効果のあるものはありません。
今後の研究の発展に期待して下さい。
脱毛のメカニズムは、多因子的と考えています。
つまり、遺伝的な男性ホルモンの代謝・血管・毛母の加令の進行状況などが
複雑にからみあって生じている結果と理解しています。
「ミノキシジル」の外用・「Finasteride」の内服でも100%回復する訳ではありません。
過度に期待しないでください。脂漏性湿疹、円形脱毛症など
皮膚科の疾患や膠原病、高血圧、糖尿病、高脂血症、血小板の凝固亢進などの
末梢循環の障害を起こす疾患が、複合的に関係していることがあると思われますので、
詳しい検査とリスクファクターを取り除く総合的な治療が必要と考えています。
脱毛に関しては、皮膚科の病気も関係していることがありますのでご相談ください。