プロトピック軟膏の使用法について

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プロトピック(タクロリムス)とは、日本で開発された、元々は腎臓や肝臓などの移植に使うための免疫抑制剤で、飲み薬でした。
アトピー性皮膚炎の成人の顔に使える軟膏が開発されました。
その後、小児用も出ました。
多くの人で劇的に顔の皮疹が良くなるとされていますが効果のない人もいます。
免疫抑制剤なのでウイルス・細菌・真菌(カビ)などの感染症を誘発する作用は、ステロイドと共通です。
特に
カポジー水痘様発疹症を誘発が有名(全例ではありません)です。
多くの例で灼熱感を生じますが・・3日くらいで取れます。
どうしても我慢できなくて使用出来ない人もいます。


灼熱感について

プロトピックは、皮膚を通過するには、分子量(1個の大きさ)が大きくて、「赤み」や「がさがさ」な皮膚には穴が開いている様なもので「無理やり通過する」ことが出来ます。
この時に灼熱感が生じ、皮膚の状態が正常になり穴がふさがると痛みがなくなりるとされています。


遠隔効果病変部に直接塗らなくても少し離れた正常部に塗っても効果が得られること)があるとされていますので一見正常に見える皮膚からも吸収されている可能性もあります。
これは、上記と矛盾している気がします。

ステロイドで皮膚をある程度よくしてから使い始めると
我慢でき、上手くいくことがあります。
効果があるので身体に使いたがる人もいます。
使っても構いませんが抗炎症作用はリンデロンclassと言われています。
感染を誘発する可能性があることに留意して下さい。万能薬ではありません。


・強い紫外線で分解されて効果が弱くなるともされています。
・ジクジクの所や皮膚が取れた所に大量に使用すると腎障害があるとも言われていますが・・・両者共に余り現実的には殆ど問題ありません。


ステロイドと同様に酒さ様皮膚炎の報告もあります。
免疫抑制剤なので安易な継続的使用には注意が必要です。

 

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